【連載】在住ライターがオススメするドバイ最新情報vol.03
「イスラム文化との関わり」


最近は日中30度近くまで気温が上がってきているドバイから、こんにちは。

暑い夏はすぐそこまで来ているようで、住人は残りのハイシーズンを存分に楽しみながら、夏へ向けて心の準備を始めています。





さて、第3回目は
「イスラム教との関わり」についてお伝えしたいと思います。


ドバイで生活を始めるまで、イスラム教とは全くの無縁でほとんど知識が無かった私ですが、街中にある美しいイスラム建築のモスク(イスラム教の礼拝堂)、そこから聞こえてくるアザーン、そしてとても平和的で慈愛的なイスラム教徒の友人達のおかげで、今ではすっかり身近で親しみのある物となっています。 

アザーンとは、1日5回の礼拝の時間を、モスクの周囲にいるイスラム教徒に告げるものです。肉声を拡声器を使い拡げている為、辺りに響き渡ります。 また、ショッピングモールでも館内放送でアザーンが流れます。異教徒の私にはまるで歌のように聞こえるのです。

礼拝時間は日々少しずつ変動するため、ショッピングモールにはこのように本日の礼拝時間を知らせる案内もあります。



上から、日の出前の礼拝時間・(日の出時間)・昼過ぎの礼拝時間・日没前の礼拝時間・日没直後の礼拝時間・就寝前の礼拝時間、だそうです。



モスクは街中に点在している為、日々の生活において、異教徒である私でもアザーンを聞かない日は無い、というくらい身近です。

日の出前のアザーンは、子供のお弁当を作りながら聞く事がほとんどですが、静謐な雰囲気の中、辺りに響き渡るアザーンは一層趣が深く、私の好きな時間の1つでもあります。



蛇足ですが… イスラム教徒は会議中でも、授業中でもその都度仕事や学校を抜け礼拝をするのか?その都度、街の機能はストップしてしまうのか?と、このシステムを知った当初は不思議でした。 ここドバイではさすがにそうではなく、そのタイミングで礼拝が出来なければ、次の礼拝時間までに済ませるようにする、という事だそうです。







玩具屋でこんなにかわいいお人形を見つけました。 ボタンを押すと、Quranコーラン(イスラム教の聖典)の先生であるJennaがコーランを唱えてくれます。 お土産にも良いかも?しれません。









気になるドバイでの服装は?


「女性は顔と手以外は隠し、親近者以外からは目立たないようにせねばならない」という義務のあるイスラム教徒。 ドバイは異教徒に対して寛大なので、街中では様々な服装の方を見掛けます。 地域にもよりますが、女性のミニスカートやショートパンツ、オフショルダーも見掛けます。 渡航用にロングスカートを数枚新調した私にはやや衝撃の光景でした。

これは意見の分かれる所でありますが、 私個人としては異教徒であっても上記のような露出の多い服装はお薦めはしません。 ビーチやビーチ沿いならまだしも、ショッピングモール等の多くの人が集まる公共の場所で、上記のような格好をしていると、否応なく目立ちます。 それをどう捉えるかは個人の判断に委ねられていますが、私は極力、膝と肩は隠すように心掛けています。(キンキンに効いた冷房対策にもなります。) 



ショッピングモールの入り口にて、「肩と膝を隠す格好をお薦めします」という文言。



また、ドバイ以外の他の首長国(※)はドバイと比較すると戒律が厳しく、雰囲気が違います。ドバイ外へ出掛ける際は、肩と膝は隠して行かれた方が無難です。
※アラブ首長国連邦(U.A.E.) は、ドバイを含む7つの首長国から構成されています。 7つの首長国は、アブダビ首長国(U.A.E.首都)、ドバイ首長国、アジュマン首長国、フジャイラ首長国、シャルジャ首長国、ラス・アル・ハイマ首長国、ウンム・アル・カイワイン首長国です。





ドバイで1番美しいモスク「ジュメイラ・モスク」にて見学ツアー



ほとんどのモスクでは、異教徒は中に入る事はできません。 しかし、ドバイにあるジュメイラ・モスクで行われている見学ツアー "Jumeirah Mosque VIsit" に参加すれば、異教徒である私達も実際に中に入り、イスラム教について学ぶ事ができます。

こちらのツアーは、ドバイ首長であり、U.A.E.副大統領・首相を兼任するシェイク・モハメッド殿下が設立した文化理解センターのアクティビティの1つです。


ツアーは毎週金曜日を除く週6日開催。 午前10時から約75分間。
個人での参加方法は至って簡単で、事前申込不要、当日の朝9:45までにジュメイラ・モスクに居る事、そして受付にて20AED(≒600円)を支払う事。 以上です。

イスラム教徒にとって神聖な祈りの場所であるので、男性は長ズボンに半袖以上の長さのトップス、女性は長ズボン又はロングスカートに長袖、髪を隠すスカーフの持参をお薦めします。しかし、モスクに入るのに適さない服装で来てしまった場合は、男性にはカンドューラKandura、女性にはアバヤAbayaとシェイラSheylaの無料貸し出しがあります。 私はロングスカート、長袖カーディガンを羽織い、スカーフも持参しましたが、なかなか素敵なアバヤが置いてあったので、良い機会なのでアバヤとシェイラをお借りしました。

また、子供にはこのような塗り絵が配られました。何とも嬉しい心遣いです。この塗り絵の中に、前述のKandura, Abaya, Sheyla の記載があります。







さて、受付とお支払を済ませると、アラビックのお菓子や、紅茶、コーヒーを頂きます。


Lugaimat(揚げ団子)に甘いデーツ(なつめやしの実)のシロップを掛けて頂きます。






アラビックコーヒーは伝統的なポットに入っています。 余談ですが、アラビックポットはU.A.E.の1AEDコインのデザインにも用いられています。 自分のお気に入りのポットを見つけ、日本帰国時は1つ持ち帰りたいと思っています。



本が置いてあるのも嬉しい心遣いです。






ツアーが始まると、アバヤを着た女性がとても解りやすい英語でガイドしてくれます。 写真もお好きな所でお好きなだけ撮って!との事。 

そして、もし小さな子が飽きてしまったら隣室のプレイルームに連れて行ってあげてね、と。 プレイルームの存在は事前調査済みでしたが、この一言もまた嬉しかったのです。


 
礼拝前のお清めから始まり、モスクの中での講釈が始まります。 案の定、我が家の下の子(未就園児)は早々にプレイルームへ移動。 勿論私も一緒ですので、私は1割も講釈を受けられませんでした。


夫と我が家の上の子(小学校低学年)は75分みっちり講釈を受けたのですが、なかなか面白かったようです。 下の子が園児になったら、次は平日に来よう、そう心に決めたのでありました。



モスクの中から見上げる天井。 厳かな雰囲気と、このイスラム建築の美しさ、暫く眺めていたくなります。





ドバイに住んでいると、当然ながらイスラム教と関わります。 最初こそ勝手が解らない故の緊張もありましたが、今では魅了される部分も多くあります。

また、毎年約1カ月間に亘り行われるラマダンの期間中 (この期間中、イスラム教徒は日の出から日没まで断食を行います)には、街の様子が変わります。 より一層の配慮が必要にもなりますが、とても興味深いラマダン。 またご紹介できればと思います。




文化理解センター The Sheikh Mohammed Centre for Cultural Understanding
http://www.cultures.ae/index.php/ouractivities/jumeirah-mosque-visit