クルーズ旅行記

外国客船の日本発着クルーズ旅行記

  • facebook
  • Twitter
  • google+

外国客船の日本発着クルーズ旅行記

Chapter3

日本発着クルーズの寄港地

実は、外国客船の日本発着クルーズの最大の特徴は「寄港地」と言っても過言ではありません。「必ず海外の寄港地が含まれている」という決まりになっているからです。

これは日本の自国企業を守るために設定している制度(「カボタージュ制度」といいます)によるもので、外国の船会社が日本でクルーズを販売する場合、かならず海外の港に寄港することが決められています。

「国内旅行の感覚で海外にも行ける!」とプラスに感じる人もいますし、「せっかくだからどっぷり日本に行くクルーズが良かった」と思う人もいて、捉え方は人それぞれ。ただ一つ言えるのは、日本から行きやすい海外の寄港地を考慮すると、ある程度コースが限定され、2泊3日など超短期クルーズができないということ。

そのため、これまでは横浜・東京または神戸を発着地に、太平洋沿岸を西に進んで広島や九州を巡りながら釜山や台湾へタッチして戻るコース、または北上して北海道と東北を巡りながらロシア極東にタッチして戻るコースが主流でした。

けれども日本発着クルーズが浸透してきた今、新たな動きが出ています。たとえば、今年から開始するコスタクルーズは、発着地を日本海沿岸の博多、舞鶴、金沢とし、境港と韓国の釜山を加えた5つの寄港地に6日間で行く日本海側のコースを設定しました。

プリンセス・クルーズではこれまでも5日間や6日間のショートクルーズがありましたが、来年度は2つのクルーズを連続乗船しても別の寄港地に行ける旅程を多数用意。ショートクルーズにも2週間程度のロングクルーズにも対応できる、ハイブリッド型コースも生み出しました。どんどんバラエティが広がる日本発着クルーズの今後が楽しみですね。

では、日本発着クルーズで行く外国の寄港地を2つ、紹介します。

寄港地紹介1.釜山(韓国)

日本発着クルーズで最も多い寄港地が韓国の釜山。到着すると、韓国の外国人旅行者に対する受入れの本気度に驚くことでしょう。港には次々と大型観光バスが到着し、岸壁に隙間なくずらーっと並ぶ姿は壮観。船の乗降口そばの一等地に陣取った軽トラックは、後ろのドアを開けると両替所に早変わり。その両脇にはお土産物屋さんのテントも用意されています。のっけから韓流パワーを目の当たりにし、「韓国に来た!」という気分を掻き立ててくれます。

港から市街地までは距離があるので、私が訪れた時は釜山広域市が港とシャガルチ市場の近くまで無料シャトルバスを運行していました。もちろん、船会社の寄港地観光ツアーも用意されています。私は、世界遺産の仏国寺や古墳群の大陵苑のある慶州へのランチ付きツアーに参加しました。

寄港地紹介2.コルサコフ

夏の日本発着クルーズで増えるのが東北や北海道へ行くコース。この場合、一番近い外国がロシアのコルサコフです。

ロシアで日本人が観光する場合、ビザの申請が必要ですが、クルーズ会社の寄港地観光ツアーの参加者の場合、ビザが不要。コルサコフに上陸するなら寄港地観光ツアーの参加が無難です。

私が参加したことがあるのはコルサコフ市街ツアーと、日本統治時代に樺太庁が置かれていたユジノサハリンスクへの半日ツアー。どちらもフリーマーケットのようなツアー客用の土産店では米ドルや日本円で購入できましたが、もし、本物の現地の店で買い物をしてみたいと思ったら、ルーブルが必要です。

昨年のユジノサハリンスクツアーでは、スーパーマーケットでの買い物時間を30分くらい、捻出してくれました。あまり自由時間はないので小銭程度で十分。ピロシキを食べたり、お菓子を買ったりできる程度ですから。私のおすすめは、ツアー客用の土産店で売られていた手作りジャム。ピュアで美味しかったですよ。

それから、コルサコフでは港に停泊しない「沖止め」となり、タグボートで上陸します。初体験にワクワクしますが、夏でも北海道よりも北にある土地。海風が冷たいので、防寒対策をしっかりしてくださいね。

トップへ